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マレーシアの政治体制と特徴



 

マレーシアの政治体制


今週マレーシアではASEAN首脳会議が実施され、

高市早苗首相が就任後初めての海外訪問ということもあり注目度も高かったように思えます。

そんな今回は、マレーシアの政治体制についてまとめていきます。



 

政治体制の概要


第17代国王 イブラヒム・イスカンダル
第10代首相 アンワル・ビン・イブラヒム

■立憲君主制

マレーシア国王は、統治者会議での互選によって選ばれ、任期が5年と定められています。
後述しますが、これは各国と比較しても非常に稀なケースです。

■連邦制

各州には独自の州憲法があり、州の管轄分野については州法を制定することができます。

■議院内閣制

国会(二院制)
上院:70議席(国王任命44名、州議会指名26名), 任期3年
下院:222議席, 任期5年, 直接選挙(小選挙区制)

首相は下院議員の中からその過半数の信任を得て いると判断する人物を、国王が任命します。
また大臣は、首相の助言に基づいて上・下院議員から国王が任命をします。

■選挙制度

小選挙区制

2019 年の連邦憲法改正により、選挙権・被選挙権年齢が18 歳以上に引き下げられました。




 

マレーシアの特徴的な制度


マレーシアの特徴的な制度として2点あります。

【特徴その1】

マレーシア国家としての君主を持つだけでなく、
マレーシア全13州のうち、9つの州それぞれにも君主(スルタン)が存在しており、
国と州の二つに君主が存在していること。

(ジョホール州、クダ州。クランタン州、ヌグリ・スンビラン州、パハン州、ペラ州、プルリス州、スランゴール州、トレンガヌ州の9つ)

【特徴その2】

9つの州の君主(スルタン)が交代で5年限定任期の国の君主に選出されるという、選出君主制を採用していること。

任期があり、そして選出により5年ごとに国王が替わっていく国はマレーシアだけと言ってもいい、
世界的に見ても極めて珍しい制度を採用しています。

なお、マレーシアには国王誕生日(Agong’s Birthday)という祝日がありますが、
5年ごとに祝日が変わるとなると何かと混乱が生じますので毎年6月に固定されています。

このあたりにもマレーシアの大らかさを感じるのではないでしょうか。




 

まとめ


日本との比較のみならず世界的にも珍しい政治体制を整えているマレーシア。

君主(スルタン)が存在する州だということを知ったうえで

クアラルンプールをはじめとするマレーシア各地を見ると、その見方も少し変わってくるかもしれません。